2017年2月14日火曜日

漁労の道具


茨城県立歴史館のミュージアムショップで見つけた、過去の展示の図録、『海と川に生きる-漁具と漁法』(1998年)です。

いろいろな漁業の道具や、船の模型、古い絵など載っていて、とても楽しめます。

竜ケ崎市歴史民俗資料館蔵

あかとり(あかくみ)も、柄のついたものなど、いろいろ載っていました。

千葉県立大利根博物館蔵

あかとりは、船底にたまった海水や雨水をくみ出すものですが、長くたまった水を放置しておくと船が傷むので、とくに雨水は嫌われ、大きい船だと、いけすの数だけあかとりを用意していたそうです。

神栖市歴史民俗資料館蔵

あかとりはまた、造船時に船大工が付属品としてつくり、船主に贈ることもあったそうです。

茨城県立歴史館蔵

網針(あばり)のいろいろです。
網針は、竹でできていて、漁網を編むとき使い、修理するときにも使います。
説明に、網針は、全国でほぼ同じ形のものが使われていると書いてありますが、どうしてどうして、竹のある地域では、カンボジアであろうと、マレーシアであろうと、インドであろうと、ほぼ同じ形のものが使われています。
日本で最も古い網針は、宮城県の縄文時代の遺跡から出てきた鹿角製のものだそうですが、竹は長くは保存できないので、もっと古くから使われていたのかもしれません。

波崎町生涯学習センター蔵

網針は、漁に出る時も、修理のために持って行きました。
上は、カツオ漁に持って行くオキバコで、中には、釣り針、テグス、網針などが入っています。

茨城県立歴史館蔵

そして浮き。
桐製で、いわしをとる巾着網に使うものです。

大野潮騒はまなす公園資料館蔵

これは地曳浮樽です。
ガラス浮きやプラスティック浮きの前には、小さい浮きはともかく、大きい浮きはどうしていたのだろうかと思っていましたが、樽の浮きを使っていたのでした。

静岡県沼津市金桜神社所蔵

図録の表紙にも使われているこの絵は、建切網漁の絵馬です。
網裾部には、狭い間隔で鉛の沈子(=錘(おもり)をつけ、網肩部には、浮子をつけます。


この浮きも、桐でできていたのでしょうか?
そして、浮きは、イワシ漁のものより大きいのでしょうか?








2 件のコメント:

しまとかげ さんのコメント...

図録の表紙にも使われている建切網漁の絵馬、すごく良いですね!!
魚の様子も人の様子もとても面白い!!
今も残っているものなのかなあ?
実物が見てみたい。

さんのコメント...

しまとかげさん
沼津市って、しまとかげさんのところから、そう遠くはないんじゃないですか?でも、神社に行くのと絵馬を見るのでは大違いですよね。たぶん、しまってあるだろうし。幅が76センチもある絵馬です。
私も見たかったけれど、特別展は今から19年も前の話で、ここには住んでいなかったので、とても無理でしたね(笑)。