2012年3月24日土曜日

古箪笥


妹の連れ合いが、亡母上のものを整理していたら、押し入れの中で見つけた古いタンスはいらないかと電話くれたのは昨年のことでした。
お正月に準備してくれていたのに、かさばって持ってくることができず、昨日になってやっと引き取ってきました。

「あんな汚いものをもらってどうするの?」
と母。
「置くとこないだろう。何考えてんだ」
と夫。

「・・・・・」
人さまがくださるというものは、とりあえずいただいておくというのは、陶芸家のIさんから学んだことです。
邪魔になっているものをくださるのに、断ったら次がないし、いただけばお互いにハッピーというのが、Iさんの考え方。いらなければ貰ってから捨てればいいのです。

夫が賛成していないので声をかけず、今朝、車から家の中に一人で運びました。
二つに分かれるとはいえ、力は落ちたとはいえ、まだまだ怪力が出ます。

きれいに拭いて、底板が外れているところは、木釘というわけにはいきませんが、銅釘で修理しました。
扉や金具が失われたり、ネズミにかじられたり、木喰い虫に食べられたところは何ともならないので、そのままです。


二階の、客用のシーツなどを入れている衣装ケースを片づけて(BEFORE)、


シーツや、細々していたものを、箪笥の下半分に収めました(AFTER)。
すっきりしました。
上半分は、さすがに置くところが見つからず、どうしたものか思案中です。


引き出しの中から、高さ2センチほどの狸も見つかりました。


4 件のコメント:

Shige さんのコメント...

けっこうヤレていますね。穴のあいたところもありますが、オレもこんな古い木製品は放ってはおけません。せっかくなので竹釘も作ってしまいます。(笑)
この手のものは、まず金具を外して、お湯で雑巾がけですね。しばらく雑巾がけすると、こびりついた汚れが軽く浮いてくるので、大きいほうのカッターナイフの刃を直角に立てて、スクレーパー替わりに軽く汚れをこそぎ落とします。雑巾がけをもう一度して、乾いたらタンポの中にクルミを砕いたのを入れて、表面を摺ってやれば、淡い艶がでますね。

さんのコメント...

Shigeさん
Shigeさんの仕事ぶりの確かさが伝わってきました。そこまではなかなかできません。
この箪笥、黒く見えるところが汚れているのではなく、拭き漆が残っている部分で、白っぽいところが、漆が剝げています。めちゃくちゃ剝げているので、これを削って、拭き漆をし直せばいいのでしょうけれど、漆にかぶれるのでできません。
杉の木肌が見えるところに柿渋を染み込ませる手もありますが、そうきれいにはならないと思います。
引き出しが硬いようなら、それは削って直そうと思っていたのですが、幸い引き出しの開閉は全部問題ありませんでした。
結局、何もしないことになりそうです(笑)。

Shige さんのコメント...

漆がかけてあったのですか!桐の上に漆とは珍しいですね。
堅木なら、いろいろやり方がありますが、柔らかい桐ではどうしましょうね?
うづくりで木目を浮き出させてみようか?(笑)

さんのコメント...

Shigeさん
関東以北のものだと思いますが、杉に漆を塗った箪笥があります。引き出しの底など、一部は桐です。堅木は稀少だし、細工も大変で多くはつくれないので、庶民のために杉でつくったのでしょうね。
杉ですから、深い引き出しにたくさんのもの(昔は着物)を入れると、開きにくかったり、底が抜けたり厄介なものですが、丁寧に使えばなんとかなります。
ただ、この貰ってきたもののように、どこかの倉庫(蔵)に長く入れられていて、ネズミや木喰い虫がかじり放題のものは、杉ですからぼろぼろになっているというわけです。
Shigeさんだったら手をかけて蘇らせます?(笑)。めんどくさがり屋の私は、いつか気が向くことがあったら、考えてみます。