2012年1月27日金曜日


昨日今日と、夫は四駆のダンプ軽トラックを借りてきて、土を動かしています。もともと敷地が斜面でしたから、土が足りなくて欲しいところに、高いところのを削って、持っていきます。

運んできた土を均していると、たくさんのクズの芋が入っています。
もう地表には、ほとんどクズが生えてこない場所ですが、芋(根)はしぶとく残っているのです。

クズは、どんぐりと並んで、古い時代の重要な食物でした。
吉野では、今でも伝統的な方法で葛粉をつくっているところがあります。クズ芋をさがす人は、道もない山の中を数時間歩いて、掘りやすい斜面にやっと葛を見つけ、苦労して掘り、芋の入った重い籠を背負ってまた歩いて持ち出します。
それからも、粉にするまでには幾工程もかかりますから、混じりけのない葛粉が高価なはずです。

そんな山奥まで行かなくても、荒れた畑や、高速道路わきなどには、どこにでもクズ芋が潜んでいますが、みな誰かの土地ですから、葛粉屋さんが、そんなところのクズ芋を、重機で掘れるわけもありません。


これは、数日前、冬のあいだにと「山仕事をしていた私が掘り出した、クズのランナーです。
地表近くの地下、太いのや細いランナーが重層的に走っているところは、まるで混雑した地下鉄のようです。
クズは、ところどころで根を下ろしていますから、切られてもへいちゃらで生き残ります。


手前や、左は数年かかってすでにきれいにしたところ、右奥が、二十年も放って置かれている、まだ手つかずのところです。
今は篠竹だけのように見えますが、春先からクズが葉を繁らせて覆いかぶさります。そして、ちょっと目を離すと、四方八方、太くて長いランナーを、地表にも地下にも伸ばして、丈のあるものには巻きついて登り、そこいらじゅうクズだらけになります。

右は他人の土地ですが、だからと放置すると、結局手間がかかるので、冬の忙しくないあいだに、少しでもきれいにしたいところです。

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