2011年1月5日水曜日

トラツグミ



また、無学をさらけ出してしまいました。
昨日の鳥は、トンビのヒナではなくて、トラツグミでした。
コメントくださったShigeさんが小さいころ、お隣のおじさんが捕まえて食べていたという、美味しい鳥だったのです。
常々、狩猟採集民に憧れ、尊敬もしている私としては、やっぱり食べてみました。

学校では、狩猟採集民が、発展して農耕民になり、そしてもっと発展して都市労働者になってきたと習いました。しかし、生きるための知恵を、個人の中にもっとも蓄積しているのは、狩猟採集民です。

私だけでなく、誰でも努力すれば農耕民にまでは、なんとかなれるでしょう。しかし、狩猟採集民になるのは、遠い道です。ほぼなれません。
では、狩猟採集民が、都市生活者になることは?それは、実に簡単なことです。私たちは、その方向に移動して来ました。

サラワクの熱帯林の中を、プナンの人たちやカヤンの人たちと歩きながら、「私たちは発展したのではなくて、退化したのだ」と、確信したものでした。生きる(=食べる)力が、すっかり弱くなっています。生きのびるための、何の智恵も持っていません。




というわけで、埋葬したトラツグミを掘り出してきました。霜が降りていて、土は硬かったのですが、鳥はまだ柔らかでした。
Shigeさんのご指南どおり、胸郭から皮をはぎました。
ここまでくれば、もう見慣れた「お肉」です。
そのあと、開きました。




みりん醤油で食べるのも美味しそうでしたが、タイの懐かしい、田ネズミを食べるときの味で食べてみることにしました。
すりおろしたニンニクをたっぷり塗りつけて、ナムプラーで味をつけ、




犬猫、カラスなどにとられないよう、覆いをして、天日にほぼ一日干しました。






そして、オーブンで焼きました。美味しそうに焼きあがりましたが、




小さいものです。
セリやキャベツなど生野菜も用意して、トウガラシ、ニンニクを叩いたものに、ナムプラーを入れたタレもつくりました。
とても美味でしたが、肉が少なく、レバーみたいなものが異常に大きかったというのが印象でした。雀を食べたことがあったのですが、どんなだったか、やっぱりレバーが大きかったのか、全然覚えていません。

そうそう、東北タイ風に、もち米も用意しました。


6 件のコメント:

Shige さんのコメント...

あらら・・・お見事!春さん、まだ文明人になりきっていなかったのですね。

鳥一羽の肉は小さなものです。でも、トラツグミの肉は、ツグミの倍はあるんじゃないかな。
空を飛ぶ鳥は飛ぶことに特化しており、軽く軽く作られていますので、消化器官は短く肉も少ないですね。そのくせレバーが目立ちます。

これだけ美味しそうな料理になれば、良い供養でしょう。そしてミミズを好んで喰うトラツグミは美味しかったでしょ~!同様にミミズを好むヤマシギも美味しいですよ。機会があればぜひ。(笑)

さんのコメント...

Shigeさん
お褒めの言葉(笑)、ありがとうございます。
あれはやっぱりレバーだったのですね。最初、「色が濃い胸!レバーみたい」と思っていましたら、本当にレバーの味がしたので、びっくりしました。
よい供養になったでしょうか?
今度はヤマシギがぶつかってくれるのを待ちます。

toki-sapp さんのコメント...

すごいです!すごいです!!すごいです!!

さすが春さん(&Shigeさん最強コンビ?)ですね!
ああ、これぞ供養というものです。

何よりまず調理法がいかにも美味そう。干し肉っぽくするのですね。

さんのコメント...

toki-sappさん
今年もよろしくお願いします。

解体してみてわかりましたが、あんな細い首で、まともにぶつかったら、ひとたまりもないですね。

半日くらい肉を乾すことは、冷蔵庫のないタイの田舎やカンボジアでは普通に行なわれます。水分が飛んで、味もついて、美味しくなるのでしょう。
プノンペンでは、みんな無防備に、屋根なんかに干して、猫の格好の餌にされていました。

ポンチョ さんのコメント...

ほんと、みなさんのコメントにあるように、あっぱれです。埋めたものを、掘り返して調理するって、なかなか、スリルありますね。一瞬、ぎょっとしましたが、美味しそうにできたので、よかったですね。
今年も、楽しみにしてます。

さんのコメント...

ポンチョさん
掘り返すまでは、まだ覚悟が決まってなかったのですが、前の日と同じ柔らかいのが出てきて、一安心。まな板に乗せたら、すっかりその気になっていました(笑)。
でも、鳥にも美味しいのと、そうでないのとがあるってことは、先人がいろいろ食べてみた結果の集積ですよね。そう思うと、先人に脱帽です。