2010年6月23日水曜日

桑の実



桑の実が実る季節になりました。
我が家の桑の木は、道路の拡張工事のために引っこ抜いて捨ててあった木を拾ってきたものです。

このあたりには、大きな家がたくさんあります。みんな地主じゃなかろうか、と思われるような家が並んでいるところもあって、豊かになった背景には、なにがあったのだろうと、想像をかきたてられます。
昔から、水田が豊かで、食べるには事欠かなかったようですが、明治のころ、養蚕でずいぶん潤い、萱葺き屋根の家々はそのころ、瓦葺の御殿のような家にと、建て替えられたようです。

今では、もちろん養蚕はすっかり廃れているのですが、桑の木はどこにでも生えています。養蚕をしていた当時の名残でしょう、切り忘れられたり、生垣代わりに、敷地境界線だけに残されて刈り込まれたりしていて、みずみずしい、柔らかい色の葉っぱをつけています。

つい最近まで、桑畑も一ヶ所ありましたが、姿を消してしまいました。




我が家の桑の木は、もとは道沿いに生垣として残っていたものでした。道路工事がはじまってすぐ、地主さんに話し、工事している人にお願いしておいて、掘ったときにいただいてきたものです。
刈り込んであったので、丈は低かったのですが、幹は太く、根は大きくて長く、やっとのことで4、5本植えたでしょうか。いまではすっかり大木になっています。

ところが、植える場所がなかったので、敷地の隅っこ、ごちゃごちゃと、資材置き場や、他の木を植えてある後ろに植えたので、実が熟しても採れません。
ふつう、ゆさゆさと木を揺すると、ぱらっと落ちて、それを拾えばいいのですが、足元が立て込んでいて、拾えません。それではと一粒一粒採っていると、ぱらぱら勝手に落ちたりして、もうお手上げです。

写真の、前は柚子とふくれみかん、左はビワ、桑の下は仮設資材置き場の屋根、後ろはちよさんの畑の桐といった混みようです。




やっと1本から少しだけ実が採れました。ジャムなんて、夢の夢です。

4 件のコメント:

Shige さんのコメント...

わたしの町も昔は養蚕が盛んで、その地域では公園にまで桑の木があります。
この時季、その下は実が落ちて大変なことに・・・(笑)
前にジャムも試しましたが、酸味が弱くレモンで補強しました。

さんのコメント...

Shigeさん
横浜のシルクセンターの敷地内に桑の木があって(さすが!)、排ガスに汚れた桑の実を食べてみたことがあります。
桑も蚕も、今は忘れ去られているけれど、日本近代化の立役者だったのですね。
資材置き場のトタンは薄いし、蛇はいそうだし、今年はジャムづくりは無理でしょうね。来年の楽しみができました。
忘れず、レモン汁を加えます。

akihiko1998 さんのコメント...

桑の実なつかしいですね!わたしは岐阜県出身なので、子どもの頃、桑畑の実を食べて口の周りを汚してました。

さんのコメント...

akihiko1998さん
養蚕は、大変でしたね。なんて、丸岡秀子の『ひとすじの道』で読んだだけですが。
私は小さいころ岡山県で育ちましたが、一度、小学生のころ蚕をもらってきて、桑の葉をさがすのに苦労しました。あのあたりでは、養蚕は盛んではなかったようです。
もしかして、北海道には桑はないんですか?