2010年5月31日月曜日

コウヤマキの実





私の住んでいる八郷には、古い民家がたくさん残っています。中でも、私たち夫婦の一番のお気に入りは、Wさんの家です。
Wさんは、旧家の誇りと、並々ならぬ愛情を持って、農業の傍ら、茅葺屋根や庭の手入れをしていますが、そんなWさんの気持ちが伝わってくるような家なのです。

我が家にお客さんがあり、どこかへ行ってみようかということになったとき、足が向かうのはたいていWさんの家です。何の連絡もしないで行きますが、会えば、Wさんは必ず木戸を開けて、手入れの行き届いた庭に招じ入れ、障子を開けて、お座敷まで見せてくださいます。

Wさんの家は、江戸時代まで、足の病の平癒を願って、足尾山に登る、足尾山信仰の人のための旅籠をやっていました。明治に入って、旅籠は閉じたのですが、外観を損なわない程度に改築しながら、現在も住み続けていらっしゃいます。




庭には、小川から水を引いてつくった池があり、植えてあるコウヤマキ(高野槙)やヤマモモは、樹齢を悠に100年は越えて、巨木になっています。




そのコウヤマキの木の下に、落ちていたのが、こんな実です。

Wさんの家のコウヤマキの美しさに魅せられて、我が家にも、コウヤマキを植えたのは、5年ほど前のことです。しかし、他の木に比べると成長が遅く、まだひょろひょろで、高さは2メートルほどしかありません。




登山口の旅籠


6 件のコメント:

Shige さんのコメント...

立派なお屋敷ですこと~!
そして屋根も萱葺きなんですね。
スゴイ、スゴイ、これってやはり葺き替えもされているのでしょうね。

さんのコメント...

Shigeさん
もう一つのブログhttp://koharu2009.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.htmlの方を覗いてみてください。ちゃんと葺き替えしていますよ。4月にできたばかりです。
Wさんの話では、「(職人が)年寄りだから、遅く始めて、早く終わるんだ。一日にちょっとしかできやしない」(笑)ということですが、手間賃が高いので、やきもきしちゃうんでしょうね。
昔は部落総出の仕事だったのでしょうけれど、今は手伝いも期待できないし、たいへんです。
でも、新しく葺き替えているお家、けっこうありますよ。

ポンチョ さんのコメント...

昔の旅館というか旅籠ということですが、中はどうなっているのでしょうね?磨きぬかれた障子の桟戸とかも、きっといいのでしょうね。見てみたい・・・庭も見て見たい・・・と、だんだんこういうのは欲がでてきますね。いけない、いけない。そっと、しておくほうがいいのでしょうね。

さんのコメント...

ポンチョさん
旅籠だった部分の室内は、すっかり改築してあります。二階は上がったことはありませんが、たぶん新しい部屋になっているのでしょう。
毎日暮らす空間ですから、改築はしかたありません。旅籠棟も、一階は外から見ても、サッシ窓が見えます。でも雰囲気を損なわない程度で、うまくやっている方だと思います。
いろいろな家を見せていただきましたが、どこも改築するのは入ってすぐの土間あたりと、お勝手です。お座敷は、たいてい昔のままに遺してあります。
Wさんの家も、お座敷のあたりは、素敵です。土台とかは直したみたいですけれど。

Tomoki さんのコメント...

これ、コウヤマキの雄花序の枯れたあとのものですね。

コウヤマキも立派な松ぼっくりができるんですよ。和歌山の高野山にはコウヤマキの純林が残っていますが、庭木とは全く姿の違うとても背の高いスマートな姿をしています。

さんのコメント...

Tomokiさん
松ぼっくりができるのですか!
知りませんでした!
我が家のコウヤマキ全然育ちません。そのうち、先端をユンボで折ってしまいました。あ~ぁ。
とても聳え立つ姿が見られそうにありません。